漂ってくるのは、色んな匂い。
食べ物や、たきぎの香り。
それと。…少しだけの ちの、かおり。
分かってしまう自分が悲しくて。
うずくまったわたしに声を掛けてきたのは。
―――真直ぐに、背をのばしたきれいな、人。
でも、わたしと似たその人は何度も繰り返す。
怯えるな、背を伸ばせ。
―――強くなれ、と。
わたしの名前を知っていたこと。
おとうさまのことを知っていたこと。
色々、聞きたいことはあったけど。
でも、きっと。
……今のわたしには無理なこと。
でも、ひとつだけ。
その人のおかげで分かった事があるから。
わたしは、生きる。
今は、それしか出来なくても。
いつか、あの人のようにまっすぐ前を見ることが出来るのかな。
......Victoireさま
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